兄の死 続き ~感情が消えてなくなること~

私が今本当に大切にしていること。

 

それは、今にくつろいでいて、柔らかで、無防備で、繊細で、無邪気な感覚。

この瞬間という光の中で、つながり溶け合っているような感覚にいること。

 

そこにいるとき私は本当に幸せだし、身体と心に安全なスペースを与えて、安心を味わうことができれば、その感覚に戻ることはそう難しいことじゃない。

 

(わたしにもあなたにも、今生だけ持っている”呼吸”という魔法がある。)

 

今に完全にくつろげるようになるためには

今この瞬間にはない不安は過去の不安だと知ることが必要だったし、

今まで感じることを避けてきた不快な感覚をもう一度感じなおして、

その感覚が今、この瞬間に私を脅かす脅威ではないこと

痛みを内包しながらも柔らかく、今ここに在ることができる

と体験したことがある。

 

~Journey to Heal~癒しの旅。

そのプロセスの一環に「痛みを感じなおす」ことがある。

 

 

 

「兄の死」前回のブログはこちらから

 

兄の死後、しばらくすると私の精神的な不安定さは加速した。

 

残された家族は葬儀が終わると、それぞれに通常の生活と仕事を淡々とこなしていこうと話し合った。立ち止まってしまったら、絶望の底からもう浮き上がれなくなることを恐れていたのだと思う。

 

私のその頃の仕事はショーアクター。

 

兄の死から5日目には、もう数百人のゲストの前で、笑顔を振りまき、大きなアクションでドラマの中の人物を演じていた。ちょうどお盆の繁忙期で、10分のショーなのに、1時間でなぜか7回演じる、という、どう計算してもあわないスケジュールをこなしながら、1時間の持ち場が終わるとバックヤードに転がり込んで、酸素管を吸い、またショーに向かうようなめちゃくちゃなスケジュールだった。

 

立ち止まる暇はなかった。

立ち止まる気もなかった。

 

立ち止まれば、思い出してしまう。

 

 

私は記憶とそこから湧き上がる感情に苦しめられてたけれど、どう処理していいのかもわからなかったから、忙しいことはありがたいくらいだった。

傍目には、身内を亡くしたなんてわからないくらい、エネルギッシュに元気に見えていたと思う。

 

けれど、すこしずつ心のひずみが大きくなってくる。

 

誰彼構わず、兄の死についてテンション高く話しまくったり、虚脱したり、仕事をしていない間は、浮き沈みを繰り返した。

 

 

湧き上がる辛い感情を感じなくて済むように、夜は浴びるようにお酒を飲んだ。

精神科に通い、薬に依存するようになるまで対して時間はかからなかった。

 

向精神薬は本当に便利な薬だ。辛いと思ったら、飲めば感情が消えていく。

 

 

イライラ、薬

もやもや、薬

不安、薬

悲しい、薬

辛い、薬

 

飲んでしばらくすると、不快な感覚は靄の中にまぎれていく。

頭がぼーっとしてくる。気付くと夜になり、朝が来る。

小さな錠剤は、どんな不快な感情も消し去り、時間は勝手に流れていった。

 

眠れない夜、長い夜を感情の渦に巻き込まれて過ごす不安。

 

私はラムネのように、向精神薬を摂るようになり、その種類も数も増えていく。

ろれつが回らなくなり、絶えず頭の中が靄がかかっているような状態。

 

日常生活を送ることがだんだんと難しくなっていった。

山手線の中で眠り込んでしまい、何周したんだが、今どこにいるのかがわからない。

 

トイレに行きたいという感覚がわからなく、何度も漏らした。漏らしてもなんとも思わない。

パンツを変えるのが面倒だな。

それだけ。

 

感情がないというのは、生きていないことだ。

 

私は自分で命を終わらせはしなかったけれど、私の人生を生きないことを選んでいた。

 

感じないようにして、どれくらいの時間が過ぎたんだろう。

 

 

ふと限界だと思った。

死んだまま生きることは、もう限界だった。

 

(薬の影響もあり、このころの記憶はひどく曖昧で、断片的な映像です。時間軸がはっきりしていないので、もしかしたらところどころ違うのかもしれません。)

 

そして入院することを選んだ。

 

精神科の閉鎖病棟で、まずやったことは、薬の量を減らすことだった。

馬並みの量をのんでいたのに、入院した当日に、1日に飲む薬はたった二つの小さな粒になった。

 

翌日、目を覚ました時の感覚を今でも覚えている。

カーテンから光が入ってきたみたいだった

 

 

感じることが戻ってきた。

 

感情を取り戻した私は、とにかく何でも聞いてほしかったのだけれど、主治医の先生と話せるのは、1日おきだったと思う。感じていることを話しまくる代わりに、全部ノートに書くことを勧められた。

 

私は狭い病棟のどこに行くにも、小さなノートを持ち歩き、書いて書いて書きまくった。

続く

 

ブレスワークセッション今後の予定

ブレスワークは本当にパワフルな、インナーワークです。

私は悟った人でも、ヒーラーでもありませんが、今ブレスワークの力を心から信じています。

私の中にも、あなたの中にも、内側からの力がある。

是非ブレスワーク、呼吸による潜在意識の旅にご一緒できますように。

心を込めてガイドさせていただきます。

ブレスワークガイド/助産師もりたもえ

 

〇ブレスワークオンラインリトリート~Journey to Heal~

7月28日(日)9時~ 3セッション+統合サークル

 

〇ブレスワーク対面リトリート ~Journey to Heal~

8月16日横浜(2セッション、自己共感のプロセス)

 

〇8月16日9;30~ 対面個人セッション

おひとり、またはお二人でプライベートな空間の中で安心して呼吸をしたいという方は、こちらにお越しください。事前にヒアリングをさせていただきます。

 

〇8月5日(月)6:30~7:30ブレスワーク無料体験セッション

今後のセッションの詳細、予定はこちらからご覧ください